2018/07/05
暑さからくる夏特有の体調不良は「暑邪」が原因。暑邪は自然界から入ってくる邪気「六淫」の一つで、この邪気に身体が侵されるのは高温多湿の夏だけです。
陽邪であり、「炎熱」の性質を持つ暑邪が身体に入ると、熱で頭が働かずボーっとしたり、皮膚の弱い人は赤みが強く出て悪化したり、ひどく汗をかいたり、といった影響が現れます。中でも、汗のかき過ぎには要注意。中医学(中国漢方)では、汗を身体をみずみずしく保つ津液(水)の一つと考えています。汗をかき過ぎると、津液ととも「に気(エネルギー」)も消耗してしまうため、倦怠感や息切れといった体調不良につながるのです。
また、身体の水分が失われると血液が濃縮し、「心」にも大きな負担がかかります。汗のかき過ぎによる動悸やめまいは、心臓のダメージ。症状が重くなると心不全など重大な病気を引き起こすこともあるので、十分注意してください。
もう一つ、夏に気を付けたいのは「脾胃」の不調。高温多湿の日本の夏は、暑邪とともに「湿邪」が侵入することも多くなります。そのため、湿気に弱い脾胃の機能が弱くなり、食欲不振や下痢、夏痩せといった症状が現れるのです。
このように、夏の暑さ対策は「心」と「脾胃」がポイント。夏の疲れや体調不良を秋に残さないよう、日頃の食事や過ごし方に気を配り、しっかりと予防、対応しておきましょう。